【準備編】電車で行く渓流テンカラ釣りに必要な道具

【準備編】電車で行く渓流テンカラ釣りに必要な道具

概要

テンカラ釣りに必要な道具について以下にまとめました。

項番道具留意点
テンカラ専用竿全長3.3~3.6メートルが主流。仕舞寸法が小さくレベルラインが飛ばしやすい竿が理想。
タモ網無くても良いが、魚体にダメージを与えずにキャッチしたり撮影時に重宝するなど利点も多い。
ライン現在はレベルラインが主流。
毛バリはじめは市販のもので良いが、自作もカンタン。
ハリス0.8~1号のフロロカーボンかナイロン。
仕掛巻ラインに巻き癖が付きにくいものが良い。
偏光グラス水面は光の反射で見えにくいので、ポイントの確認に必須。
クリッパーラインおよびハリスを切るのに使用。ハサミよりコンパクトなのが利点。
フォーセップハリ外し。魚を直接触らずにリリースできるので魚体に与えるダメージが少ない。
ウェストポーチ上記の小物を収納できる大きさのものをチョイス。

①テンカラ専用竿

シマノ(SHIMANO) ロッド 渓流竿 パック テンカラ ZW 31-34 ショートテンカラ竿 カバンに収まるコンパクト設計

電車釣行では仕舞寸法が小さくコンパクトに持ち運びできる竿が理想だと思います。

筆者は、テンカラ大王こと石垣尚男先生監修のシマノ「パックテンカラZW」を使用しています。

「パックテンカラZW」は仕舞寸法41cmのコンパクトなショートロッドで、リュックや旅行用カバンにもすっぽり収まるコンパクト設計です。

少し胴に乗る調子はキャストのタイミングを取りやすく、長いテンカララインを誰でも簡単に扱えます。

ヘッドスペースが限られる小渓流や源流をはじめ、山歩きの途中にも気軽に使えますので、当然ながら電車釣行との相性は抜群です。

②タモ網

タカ産業 受玉-35 ワンタッチ渓流ダモ 25cm

筆者の考える電車釣行では大物が掛かることは想定していないため、タモ網もポータビリティ重視でコンパクトなものを使用しています。タモ網には、魚体にあまりダメージを与えないでキャッチしたり、撮影時に重宝するなどの利点があります。

③ライン

主に3種類のラインが使用されます。各ラインの特性は以下の通りです。

比較項目レベルラインテーパーラインフライライン
コスト安いやや高いやや高い
キャスティングの難度高いやや高いやや低い
おつり現象少ないやや少ない多い
長さの調節切ったり結んだり自在に出来る市販のものはほぼ不可短くすることは可
強風への対応力最も弱いとされるが、細いラインなら対応可やや弱いやや強い

現在の主流はレベルラインです。3.5号から始めて慣れたら細くしていくのが良いと思いますが、よりキャストしやすいフライラインやテーパーラインで慣らしてからレベルラインに転向しても良いかもしれません。


サンライン(SUNLINE) フロロカーボンライン ぶっとびテンカラ レベル 30m 4号 オレンジ


宇崎日新 テンカラ仕掛け 冨士流テンカラバス 3.3m


ダイワ(DAIWA) フライライン テンカラフライライン Y 0.6mm 4m イエロー

④毛バリ

水中に沈めることを意図し、ビーズヘッドを取り付けた春先用の毛バリ[/caption]

テンカラ釣りにおいては、フライフィッシングのように毛バリを本物らしく作り込むというこだわりはありません。

一般的に急流で捕食する日本の渓流魚には、目の前の餌が本物か偽物かを識別する時間的猶予がないため、精巧なフォルムでなくてもそれらしく見えれば問題なく釣れたからと推測されます。

釣果に関係があるのは毛バリの大きさで、私は♯10、♯12、♯14の3種類の大きさのフライフックを使って適当に自作しています。

ちなみに、上の写真で毛バリの台座となっている毛バリケースも筆者の自作です。上部に源氏香図「花の宴」を彫り込んだ意匠は、自分にしては上出来と思っています。

道具の自作もテンカラ釣りの楽しみのひとつですが、なかなかそのような時間が取れない方は、#12~#14のバーブレスフックの毛バリを購入するとよいと思います。


「Creek Edge Premium Collection 」完成フライ 12個 エルクヘア カディス Claret バーブレス (#14)

⑤ハリス

フロロカーボンかナイロンを使用します。サイズは0.8~1.0号を毛バリの大きさに合わせて使い分けます。

毛バリのサイズを大きくするときはハリスも太めにしたほうが飛びが良いです。

フロロカーボンはフッ素化合物を原料としたラインで、比重がナイロンよりも大きく、張りがあり、吸水性がほとんど無いのが特徴です。直進性に優れているので、キャスティングの観点からレベルラインとの相性が最も良いと考えられます。

反面、デメリットはナイロンとの比較でやや高価である点と、伸びが少ないため結節にやや弱い点(数%程度の違いです)が挙げられます。

ナイロンは柔らかくて伸びやすいのが特徴です。また、安価である点は最大のメリットだと思います。一方で吸水性があるので劣化が早いのがデメリットです。

私は、フロロカーボンよりやや真っ直ぐ飛ばしづらいものの、安価であるため主にナイロンを使用しています。


ユニチカ グンター 50m 0.8号


Fujino(フジノ) ライン フロロテンカラハリス 0.8号

⑥仕掛け巻き

ラインに巻き癖が付きにくい円形のものが良いです。

テンカラ大王こと石垣尚夫先生が推奨している「ちびまる70」(メイホウ)は、中央の穴に竿のグリップを通してホールドできるので使い勝手は抜群です。


メイホウ(MEIHO) 丸型仕掛巻ちびまる70


n-VISION テンカラ用仕掛巻2個セット 70mm・フックキーパー付

⑦偏光グラス

水面は光の反射で見えにくいので、ポイントの確認に必須のアイテムです。また、渡渉の際に水中の石が見えることは安全面からも必要なことです。

偏光グラスは各種カラーがあり、それぞれメリットがありますが、グレー系はあらゆる天候や朝夕のマズメ時まで幅広く対応が可能です。


シマノ(SHIMANO) 釣り用 偏光サングラス 撥水ハーフフィッシンググラスPC HG-066N マットブラック スモーク フリー

⑧クリッパー

レベルラインやハリスをカットするのに使います。ハサミよりコンパクトで使いやすいです。


スミス(SMITH LTD) ラインカッター スタンダード ラインクリッパー 50mm

⑨フォーセップ

ハリを外す際に使います。魚を直接触らずにリリースできるので魚体に与えるダメージが少ないです。

また、自然渓流のテンカラ釣りにおいてはあまりないものの、毛バリを深く飲み込まれた場合は必須のアイテムとなります。


TICT(ティクト) エギ フォーセップ 140 ブラック

⑩ウェストポーチ

一般的には釣り用の小物の収納はフィッシングベストを使用しますが、電車釣行において常時着用するのは、周りの目を気にする私としてはかなり気が引けます。

そのため、私は小物をすべてウェストポーチに収納して持ち運んでいますが、全く不自由は感じません。

ベルトはバックル式のものよりマジックテープ式のほうが使いやすいと思います。

フィールドでは小型のカラビナなどを利用してクリッパーをすぐに使えるようにしておくと便利です。

もちろん、周りの目が気にならなければフィッシングベストで良いと思います。

[ミズノ] ランニング ウエストポーチ Mサイズ J3JM9504(現行モデル)

その他

フィッシンググローブ

春先の気温の低い時期は手がかじかむのであると助かります。


双進(SOSHIN) 6458 RL シェイプグローブII 5C ブラック/ブルー

水温計

必須ではありませんが、魚の活性を予想する目安として。


パズデザイン アルマイト水温計 グリーン ZAC-921

フライドライ・浮力剤

これも必須ではありませんが、魚の活性の高い時期に毛鉤を浮かせて釣るのもとても楽しいものです。

水面に浮かぶ毛バリに魚が躍りかかる瞬間はテンションが最高に上がります。私も初めてのテンカラはドライフライテンカラ(通称ドラテン)で、そのときにイワナが毛ばりに躍りかかる瞬間を鮮明に覚えています。

ただし、魚は基本的に水面に身を出すことを好まないので、水面下に少し沈めて流す基本の釣り方より若干釣果は落ちるようです。

メジャー

使用機会は多くありませんが、大物が釣れた時などはどうしてもサイズが気になるので。

(おわり)

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